「お前はプロの料理人か!」ってツッコミたくなるタイトルですみません(笑)。
僕は、仕入れ → 仕込み → 調理 → 飲み会参加をほぼ1人でこなしています。それも人の家で。
だから「普段どう考えて料理を作っているのですか?」という質問をよくいただくんです。
そこで、自分の考えを整理する意味も込めて、「普段どう考えて料理を作っているのか」について語っていきます。
冒頭にも書いたとおり、僕が最も大事にしている考え方は「“料理上手”と“料理を振る舞うのが上手”は全く別の話」だということ。
少し抽象的かもしれないので、順序立てて説明しますね。
飲み会の「趣旨」はなにか
まず最初にするのは「飲み会の趣旨」を明確にすることです。
あえて仰々しく書きましたが、「今日はゲーム会だよね」「今日は誕生日会だよね」「今日は誰々がくるから〇〇のような話になりそう」くらいです。
これは、人の家で料理を作り続けてきた僕が最も大切にしているポイントの1つです。
この考え方は、メニュー構成を考えるうえで非常に重要。正直、レシピを覚えるよりも大事だと自負しています。
章題を見て「もう仕事やん……」と思った方もいるかもしれませんが、本当にこの発想が根本にあります。
ちなみに、レシピや作り方は目分量で適当にやっていますし、チャットGPTを使ってレシピを考えることもあります(笑)。
なぜ「飲み会のゴール」が重要かというと、趣旨がわからないと、買い出しの金額や仕込みの時間を計算できないからです。
少し仕事っぽくなりますが、この論調のほうが執筆しやすいのでお許しください。
では、真面目に解説します。
料理の満足度は何で決まるのか
章題を見て「素人が何を言ってんねん」と思われるかもしれませんが、ここがブレると本題に進めないので、まず総論から話します。
この記事を読んでいるみなさん、「料理の満足度」って何で決まると思いますか?
僕の結論はこうです:料理の満足度は「参加したメンバーの期待を超えた瞬間」で決まります。
「味」が重要だと言われますが、僕にとって「味」は満足度を上げるための1つの「変数」にすぎません。
ここで「変数」という言葉が出ましたね。
では、料理の満足度を上げるための変数とは何でしょう?
僕がこれまでさまざまな家で料理を作ってきた結果、以下の要素だと考えています:
- 味
- 金額
- 提供速度・タイミング
- 空間設計
- 清潔感
- 料理人が会話に参加する時間
問いに変えると、こんな感じです:
- 参加メンバーはどのレベルの「味」を求めているのか?
- 参加メンバーはどれくらいの「金額感」で楽しみたいのか?
- 参加メンバーは何時に来て、何時に帰る予定なのか?(提供速度・タイミング)
よく僕の飲み会に参加してくれる方々は、この1〜3を事前に聞かれたことがあると思いませんか?(笑)
特に金額感は、期待値を合わせることで満足度が確実に上がります。
期待値のズレは参加者の表情に表れる
具体的な失敗例を挙げると、こんな感じです:
- 飲み会の趣旨がゲーム会なのに、「味」にこだわりすぎて仕込みに2時間かけてしまった。
- 誕生日会で華やかな料理が求められているのに、落ち着いた和食を出してしまった。
- 突発的な飲み会なのに、1人4000円もかかり「だったら店でよかったんじゃないか」という空気になった。
- 帰宅時間を聞いておらず、メイン料理が提供できなかった。
僕は料理を作る立場なので、飲み会全体を俯瞰して見ることが多いのですが、期待値がズレると、それが参加者の表情に表れるんですよ。
“料理上手”と“料理を振る舞うのが上手”は全く別の話
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
タイトルに戻りますが、「“料理上手”と“料理を振る舞うのが上手”は全く別の話」だということがおわかりいただけたかと思います。
ここまで料理をやっていると「料理上手になりたいんだけど、、」という相談をもらいます。
”料理上手”になりたいのであれば「レシピを再現する」、「おいしい料理に手間暇かける」で良いでしょう。僕も素直に「YouTubeを見て作ってみて!」と言っています。
ただ”料理を振る舞う”は常に”食べていただく相手”のことを考えなくてはなりません。これは“美味しい料理を作る技術”とは全く異なるんです。
正直、僕は“料理上手”だとは思っていません。僕よりも料理が上手い人なんて沢山います。
ただ、ひたすら“料理を振る舞う技術”を磨こうとしてきたからこそ、5年以上も交友関係が途絶えず、楽しく宅飲み料理人生活が出来ているんだと思います。
次回は具体的なメニュー構成についてお話ししますので、お楽しみに!